RiNoA Racing project



 RiNoA Racing project 公式サイト

https://rinoa-racing.ne.jp/rinoaracing-project/

 RiNoA Racing project ?

(スーパーFJ もてぎ・ SUGOシリーズ)

 元レーシングドライバー、里見 乃亜さんが運営するレーシングチームプロジェクト”RiNoA Racing project”。最大の特徴は入門カテゴリーのスーパーFJを1年で卒業させるシステム。

(代表 里見 乃亜)

 以下、里見 乃亜代表コメント


 「関東には若手のレーシングドライバーを育成できるチームが少ないと考えています。自分もカートからステップアップする時に、チームもスーパーFJもよく知らなくて苦労しました。鈴鹿サーキット周辺ならば、ホンダがいてチームも沢山あり、ステップアップのルートもいろいろ選べる」

 「カートをやっているうちから(フォーミュラの)練習ができて、スポンサーさん(群馬トヨペット)がついてくれている事で、選手の参戦費用をギリギリまで減らすことができて、若い子に毎年入れ替わりでチャンスを与えられるチームが関東で出来たらいいな、と思ってこのチームを始めました」

 「そういう事を2018年から19年にかけて考えていて、2019年にスーパーFJのクルマを購入・シェイクダウンして、2020年に参戦を始めました。本当はプロドライバーとして喰っていきたかったですが、ドライバーがダメならレーシングチームを立ち上げていこうと思い、それが形になったのが2020年でした」


 チーム体制

「メンテナンスやメカニックはNRS(ノセレーシングサービス)さんに委託しています。車両も普段はそこに預けています。車両自体はチームのもの。本来であればチームでメカニックも雇って社員でやろうと思いましたが、メカニックさんもなかなか見つからない。NRSさんは自動車工房MYST(車両製作会社)さんの関東代理店でもあるので、パーツが来るのも早いしデータも持っているので、業務委託としてやってもらっています」

 「自分の立ち位置はドライバーに教えるのがメインで、メンタル面や技術のケアも行っています。セッティングなどはメカの人と相談しながら決めています」


 RiNoA Racing projectの特徴

 全日本選手権(スーパーフォーミュラ、スーパーフォーミュラ・ライツ)では当たり前に使われているレーシング無線ですが、Jrフォーミュラでは基本的に使われていない無線機をリノアでは練習走行で積極的に活用していきます。

 高性能の無線を使う事により、遠隔にそのコーナーの瞬間にアドバイスする事で、練習の効率を格段に上げます。そして無線に慣れてきたら走行中にドライバーからセッティング変更の希望などを話し、セットアップの効率化を図り尚且つドライバーがステップアップした際に無線に慣れている環境を作っていきます。(無線機は全て無料レンタルです!)

 RiNoA Racing project では、チームにスポンサードして頂いている企業様からのサポートを受ける事ができます。

主なサポート項目

  • レースウィークの宿泊費
  • ケミカルオイル全て
  • 装備品等のレーシングギア

 (画像はFIA-F4)

 スーパーFJから翌年のステップアップを考えて、オーディションで使用されるフォーミュラ・ルノーやFIA-F4の実車で練習が可能です。


 2021年スーパーFJ日本一決定戦(鈴鹿サーキット)のタイミングに、モータースポーツフォーラムさんで特集記事が掲載されています。



 里見 乃亜 代表 略歴

 里見乃亜代表は1995年生まれ。

 10才の頃からカートレースに参戦。2014年に19才でスーパーFJレースにデビュー。

 もてぎのデビューレースでいきなり2位に入り頭角を現すと、この年シリーズ3位。2016年にはJAF-F4に参戦し東日本シリーズ3位、グランドチャンピオンの方ではHクラスのチャンピオンを獲得。翌2017年もJAF-F4東日本シリーズに参戦、Sクラスでランキング2位。2018年から2019年にかけてはスーパーFJ鈴鹿シリーズへのスポット参戦とJAF-F4及びFIA-F4のアドバイザー兼テストドライバーを務めた。

 日本一決定戦は2014年(もてぎ)スーパーFJで7位、2016年(もてぎ)JAF-F4のHクラス優勝、2017年(鈴鹿)JAF-F4で総合2位。

 2019年鈴鹿でのスーパーFJ日本一決定戦を最後にコックピットを離れて「RiNoA Racing project」のチーム代表に専念。

 モビリティリゾートもてぎ(旧名称ツインリンクもてぎ)をホームとして2020年よりレース活動を開始。

(モビリティリゾートもてぎ)

モビリティリゾートもてぎ公式サイト

https://www.twinring.jp/motorsports_m/


 Q&A(回答 里見 乃亜 代表)

「チーム創設のキッカケを教えてくださいませんか?」

里見 乃亜 代表 コメント

 「2017年のJAF-F4日本一決定戦で角田裕毅選手が勝って、自分が2位。シーズン通じても、ずっと2位で角田選手に負け続けました。この先ステップアップするなら当時はF3(現在のスーパーフォーミュラ・ライツ相当)しかなくて、そこは資金的に厳しかったのです。S耐という選択肢もあり、声をかけて下さったチームもありましたが、ハコよりフォーミュラにこだわっていたので、ステップアップできませんでした。その後、中日本自動車短期大学から起用されて2019年は鈴鹿のスーパーFJに参戦しましたが、レーシングドライバーとしては、行き詰まりました」

(2017年 JAF-F4 左 里見 乃亜 中央 角田 裕毅)

(画像 モータースポーツフォーラムさんより抜粋)

 「一方で2015年ごろからレーシングカートのアドバイザーもやっていて、子供たちのコーチとかも経験していました。自分のキャリアが行き詰った事で、レース業界から離れることも考えましたが、やはりレースに関わっていきたいと思い、若手の育成を手がけて、自分がつまづいてきたところを乗り越えて進めるようなルートを作ってあげる事をしようと思い、チームを立ち上げました」


「毎年、ドライバーを(参戦カテゴリー)スーパーFJから卒業させる事について、教えてくださいませんか?」

(2期生 佐藤 樹 選手 2021年スーパーFJもてぎ・ SUGOシリーズ初代チャンピオン獲得)

里見 乃亜 代表 コメント

「スーパーFJは、長くても2年以内に結果を出すカテゴリーだと個人的には思っています。自分のチームは1年で結果を出すことを目標にして、1年でFIA-F4に上がれるような、ステップアップさせるチームだと考えています。そう考えると、ドライバーには長くて2年、できれは1年で次の段階に進んでくれることを期待しています」


「ドライバーの採用は、どのように決めているのですか?」

里見 乃亜 代表 コメント

 「カートの実績はあまり関係なく、スーパーFJに乗りたいという子が年に何人かやってくるので、その中で選抜して、練習生としてマシンに乗せてみます。予算の兼ね合いもあるし、本気でステップアップしたいと思っている子を毎年決めて起用しました。最初のドライバーだった松澤亮佑選手は、榛名のカートレースでチームが一緒だったので面識があり、彼ともう一人スーパーFJで走りたいという選手と選抜して起用を決めました」 

(松澤 亮佑 選手)スーパーFJ日本一決定戦で3位。翌年FIA-F4にステップアップしました。

「2022年は2台体制で行こうと考えて、マシンも用意していましたが、起用を決めていた子が全日本カートをもう1年やりたいという事で、それは立ち消えになりました。その子が全日本のタイトルを手土産に戻ってくれば、2023年は2台体制かもしれないですね」


「ステップアップへのサポートは、どのように構築していますか?」

(第1期生の松澤 亮佑 選手 スーパーFJ日本一決定戦3位を手土産に、FIA-F4に翌年ステップアップ)

里見 乃亜 代表 コメント

 「特別なパイプは無いですが、自分が知っている上のチームの様子を、ドライバーに教えてあげたりする程度のことはしています。ステップアップ支援よりは、現時点での活動について負担を減らす方に力を入れていて、結果を出した選手ほど、サポートを手厚くするようにしています」


 私(筆者 hide)が里見代表と縁が出来たのは、サーキット会場でした。もちろん、現役時代も観ていますし、まだまだ戦える選手だと思っています。2017年のアンダービッター(2位)が里見 乃亜 代表の転換点だったのは、なんとも皮肉な話です。商売としてのレース屋さんを考えるならば、顧客(選手)を毎年フレッシュにするのは、相当なリスクを伴うと思います。メインスポンサーが付いているのならば、尚更です。しかしながら、”若手の育成”&”ステップアップに特化したチーム”と軸がブレなければ、スポンサー様の理解も深まり、共に歩んでくれるパートナーとして、確固たるチームプロジェクトとなります。

 それを具現化したRiNoA Racing project

今後も注目・活躍に期待しています‼︎

(report by hide)


 RiNoA Racing project公式サイト

https://rinoa-racing.ne.jp/rinoaracing-project/

(画像提供・コメント寄稿 里見 乃亜 代表 ありがとうございました)